守口漬の酒精含有量ならびにアミラーゼ量について
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概要
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粕漬の酒精含有量に関しほとんど記載されたものがないので,本報では主として守口漬および二三の粕漬け類について酒精含有量を測定し並せて守口漬,松阪牛肉粕漬などについてアミラーゼ量を測定した。これらの結果を要約すれば次のごとくである。1)酒粕の酒精含有量はすでに知られているように7〜8%付近のものが多く,この中に漬けられた大根などの酒精含有量はほぼこの半ば以上で3〜4%付近であった。2)粕ならびに大根のいずれにおいても開封後日数の経遇とともに酒精量を減ずるがこの際,室温,冷蔵器など保存中の温度条件の影響がみとめられ前者におけるよりも後者に保存する方が酒精含有量の減少が少い。またこれらは大根では0.5mm厚さの薄切りとしたものの方が2.5mm角のみじん切りとしたものよりも減少が多い。3)守口漬大根のアミラーゼ含有量は生大根に比してかなり高く粕中に存在するアミラーゼが大根組織中に浸入することが考えられた。4)このことは松阪牛肉の粕漬の場合においても全く同様で粕漬牛肉部のアミラーゼ量は著るしく高いことが判った。擱筆するに当って,実験中種々の御便宣を賜った大和屋常務取締役曽我米三氏に深謝いたします。本報は昭和43年5月18日日本家政学会第15回中部支部総会に於て報告した。
- 1968-12-10
著者
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