調整法の異なるきんとんの食味と組織構造、物性について
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概要
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裏ごしとフードプロセッサー使用により調製したさつまいもきんとんについて官能検査、組織構造の観察、機器測定を行い検討し、以下の結果を得た。1.官能検査においてフードプロセッサーにより摩砕したものでは、30秒、50秒が粘りがあり、なめらかで好まれた。また50秒は裏ごしに比べつや、粘りがあり、なめらかであり、総合的に好まれた。2.組織構造の観察と粒度分布から、30秒、50秒は裏ごしと10秒に比べ細胞が分離し、細胞同志が接着した塊が小さく、破損した細胞がみられ、でんぷんの流出が多かった。この構造上の違いが官能検査のつやや、粘り、なめらかさの評価に影響したと考えられる。3.みかけの粘性率はずり速度10sec^<-1>以上の時、口内で感じる粘りと一致し、フードプロセッサーでの摩砕時間が長いほど大きくなった。4.硬さと破断応力の測定結果では、フードプロセッサーは裏ごしに比べやわらかで破断応力が小さかったが、官能検査での差は認められなかった。5.動的粘弾性の測定結果から、G'とG"ともに裏ごしはフードプロセッサーより高く、また、いずれのきんとんも粘性要素の方が強かった。tanδの結果は、フードプロセッサーによる摩砕時間が長くなるほど減少する傾向であった。
- 日本調理科学会の論文
- 2000-08-20
著者
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