保育学習に関する中学生・高校生・大学生の意識と課題 : 生活者の視点を導入して
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概要
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保育学習の今後の課題を明らかにするために,既習者と未習者の意識および親準備性とその形成要因について,中学生・高校生・大学生の意識調査に基づき考察した。これらの結果から,生活者の視点を導入した保育学習について提言した。 1.未習者の保育学習への期待は高く,中学生と高校生の男女ともに,多くの項目において,既習者との間に有意差が確認された。 2.中学生の未習者の分析から,「II子育ての仕事」を低学年で,「I発達と人間交流」を高学年で実施するという教育課程を提言した。 3.高校生の未習者の男子は「I発達と人間交流」,女子は「II子育ての仕事」に期待が高かった。男女共に,「思春期における自分育て」はやがて「将来における子育て」につながることが理解可能な題材開発が課題である。 4.大学生の未習者の男子は,「I発達と人間交流」の中の親子関係関連の項目を特に希望しており,今後の保育学習として重視していくべきである。 5.既習者の意識として,中学生と高校生の男女とも,自己理解と世代再生産の主体形成を促す「I発達と人間交流」に関わる項目に関心が高かった。青年期の発達課題として重要であるため,今後,保育学習の中でウェイトを高めていくべき内容といえる。 6.親準備性を形成する要因として,「I発達と人間交流」である,身近な乳幼児の存在,生殖家族への展望,人間交流,「II子育ての仕事」である,家庭の仕事に対する実践力,子育ての仕事に対する男女の協力意識,「III保育条件と情報」として,男女の保育学習の必要性,保育雑誌の知識が影響していた。
- 日本家庭科教育学会の論文
- 1999-10-01
著者
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