一般演題 12 AML1/RUNX1の点突然変異は骨髄異形成症候群(MDS)に高頻度に認められる
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概要
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骨髄異形成症候群(MDS)は造血幹細胞レベルの複数の遺伝子異常により発症する前白血病状態の一つで,高齢者に多く発症する. 原爆被爆者の高令化に伴い,MDSの増加がみられているが,我々はそのリスクが高いことを既に明らかにしている. -5/5q-,-7/7q-などの染色体異常は初期より認められ,MDSの発症に関与しているといわれている. しかし,造血細胞の腫瘍化を直接引き起こすような遺伝子異常は明らかになっていない. AML1/RUNX1は二次造血の発生に不可欠な転写因子であり,正常造血においては造血肝細胞より各血球系列への分化を制御していると考えられており,M-CSFレセプター,IL-3,GM-CSF,ミ***ペルオキシダーゼなどが標的遺伝子として知られている. また転座型白血病において最も高頻度の標的となっている. さらに,AML1の点変異は造血細胞の悪性化に関与すると考えられており,われわれも続発性白血病/MDSで高頻度にruntドメインを中心としたAML1の点変異がみられることを報告した. 図3にはわれわれの結果も含めた報告例の変異部位を示している. 一方鎖骨頭蓋形成不全症の原因遺伝子であるRUNX2はその全長に点突然変異が認められている. そこでMDSにおけるAML1の点変異を遺伝子全長にわたって検索し,MDSの発症機序におけるAML1遺伝子変異の関与について検討した.
著者
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新美 寛正
広島大学原爆放射線医科学研究所 血液内科
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稲葉 俊哉
広島大学原医研分子細胞遺伝
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稲葉 俊哉
広島大学原爆放射線医科学研究所 がん分子病態研究分野
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稲葉 俊哉
広島大学原爆放射線医科学研究所がん分子病態研究分野
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稲葉 俊哉
広島大学原爆放射線医科学研究所 血液内科
-
稲葉 俊哉
広島大学原爆放射能医学研究所癌分子病態
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新見 寛正
広島大学原爆放射能医学研究所血液内科
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原田 結花
広島大学原爆放射能医学研究所附属国際放射線情報センター
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原田 結花
広島大学原爆放射線医科学研究所 被ばく資料調査解析部
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原田 結花[他]
広島大学原爆放射能医学研究所附属国際放射線情報センター
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