一般演題 40 AML1点変異を有する骨髄異形成症候群(MDS)の多段階発症メカニズムの解明
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概要
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造血細胞の機能維持に不可欠な遺伝子の点突然変異が,急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)の原因となることが次第に明らかになってきた。なかでもAML1遺伝子点変異は,広島原爆被爆者を含む放射線被曝歴や化学療法歴を持つ続発性MDS患者に多く認められ,AML発症における転座関連キメラ遺伝子と同様に,MDS発症における主因子の一つと考えられている。MDSは造血幹細胞のクローナルな異常に起因する無効造血と血球の形態や機能異常を呈する疾患群である。AML1点変異体は転写活性化能の低下〜消失を来たすが,それだけではMDSは発症しない。一般にMDSの発症には,固形癌と同様に多段階の遺伝子変異の蓄積が必要とされており,発症には,AML1変異を持った造血幹細胞が更なる遺伝子異常を獲得することが必須であると考えられる。我々は「AML1点変異を有するMDS/AML」に特異的な遺伝子異常を解析して,多段階発症機構を明らかにしようと試みた。
著者
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原田 浩徳
広島大学原爆放射線医科学研究所血液内科
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原田 結花
広島大学国際放射線情報センター
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原田 浩徳
広島大学原爆放射線医科学研究所 血液・腫瘍内科
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原田 結花
広島大学原爆放射線医科学研究所 被ばく資料調査解析部
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原田 浩徳
広島大学原爆放射線医科学研究所 放射線災害医療センター血液・腫瘍内科分野
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