救命救急センターにおけるConsultation-Liaison Psychiatry

概要

論文の詳細を見る
1978年1月1日より1981年12月31日までの4年間に日本医大救命救急センターに収用された患者のうち, われわれによって自殺未遂者と診断された症例について, つぎのような結論を得た。(1)自殺未遂者は全収容者の7.4%である。(2)男女比は1.2 : 1である。(3)疾患部類では多い順に, 神経症圏, 精神分裂病圏, うつ病圏である。(4)平均年齢は全症例では35.9歳, うつ病圏では48.7歳, 精神分裂病圏では33.9歳, 神経症圏では33.7歳である。年齢分布では15歳から44歳までに77.6%と大部分が分布しており, いわゆる働き盛りの世代が多い。(5)自殺手段では, 刃器, 服薬, 高所から飛びおりたもの, 電車へ飛びこんだもの, ガスによるものが多い手段である。(6)これらの手段を身体損傷手段と身体非損傷手段に分けると, 身体損傷手段は男に多く, 精神分裂病圏の症例に多い。また, 身体非損傷手段は女に多く, 精神分裂病圏やうつ病圏に比して神経症圏の症例にその比率は高い。
日本心身医学会の論文
1983-04-01