カイコ蛾性フェロモン分泌腺化合物のキャピラリー GC-MS による再検索 : (Z)-11-Hexadecenol の存在
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概要
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1頭のカイコ蛾処女雌性フェロモン分泌腺抽出物中に存在する化合物について, キャピラリーGC-MS分析をおこない, そのGC上の挙動, マススペクトルパターンよりそれぞれの化合物の構造推定をおこなった。さらに, 約千頭分の同抽出液について, 各種液体カラムクロマトグラフィー, 分取ガスクロマトグラフィー, 各種化学反応などをおこない, それぞれの化合物の同定をおこなった。1) 性フェロモン分泌腺中にはおもな脂肪族アルコールとして, 既知の(E-10, Z-12)-10, 12-hexadecadienol(ボンビコール), (E-10, E-12)-10, 12-hexadecadienolの存在が確認された。さらに新たに, hexadecanol, (Z)-11-hexadecenol, octadecanolの存在が明らかとなった。カイコ雌蛹および成虫の性フェロモン分泌腺中には特異的脂肪酸として, 同じ骨格を有する, (Z)-11-hexadecenoic acidが存在し, この化合物がボンビコールの前駆体と考えられることより, この(Z)-11-hexadecenolがボンビコール生合成に何らかの役割をはたしているとも考えられる。2) その他炭化水素として, n-tricosane, n-pentacosane, n-heptacosaneの存在が確認された。しかし, その存在がすでに指摘されているボンビコールのアルデヒド型であるボンビカールについては存在が確認できなかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1983-05-25
著者
-
山岡 亮平
京工繊大応生
-
山岡 亮平
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科応用生物学専攻化学生態学研究室
-
林屋 慶三
京工繊大・応生
-
渡辺 忠一
横河ヒューレットパッカード社分析機器部
-
本沢 彰一
京都工芸繊維大学繊維学部
-
林屋 慶三
京都工芸繊維大学繊維学部
-
山岡 亮平
京都工芸繊維大学 工芸科学研究科 応用生物学専攻
-
林屋 慶三
京都工芸繊維大学・繊維学部
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