ヨトウガ幼虫の食物利用性, 特に窒素の利用について
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概要
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食植性昆虫の食性と栄養に関する研究の一環として,代表的な広食性昆虫であるヨトウガ幼虫(終令)にテンサイ葉とサツマイモ葉とを与えて,両植物の食物としての価値のちがいを,幼虫による食物利用の面から解析した。幼虫の発育はテンサイ給与区でいちじるしく速かであり,蛹体重もテンサイ区で大きい。このような両植物の食物価のちがいの一半は,テンサイ葉がサツマイモ葉にくらべて窒素含量高く,また幼虫によってより好まれることに起因している。しかし原因の大部分は,幼虫によるサツマイモ葉の利用性がテンサイ葉にくらべて低いこと,とくに葉中の窒素の利用性が低いことにある。すなわちサツマイモ葉,とくにそのなかの含窒素化合物は,質的にヨトウガ幼虫の食物として適当でないと結論できよう。本研究にあたって御指導いただいた石井象二郎・湯嶋健両博士に厚く御礼申し上げる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1963-12-25
著者
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