トビイロウンカの越冬に関する研究 : II 秋末期における産卵時期と卵態越冬との関係
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概要
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トビイロウンカ卵の越冬機構を明らかにする研究の一環として,秋期における産卵時期の早晩と卵態越冬との関係について調査した。結果を摘記すれば次のとおりである。1) 秋末期における産卵時期の早晩と越冬卵の出現との間にはきわめて密接な関連があり,野外の自然温下で秋期おそく産下されたものほど越冬卵が多い。2) 越冬胚子の発育期は秋期における産卵時期の早晩によって左右され,晩期産下卵ほど黄はん期での越冬卵が多くなり,越冬卵率も高かった。これらの結果から越冬胚子の発育期は黄はん期であると考えられる。3) 越冬期間中における生存卵率ならびにふ化可能卵率の変動を調査した結果,生存卵率は1月下旬から4月上旬にわたる期間中著しい変化が見られなかった。しかし,ふ化可能卵率は1月下旬以降次第に減少し,翌春気温の上昇に伴い越冬卵が発育を再開してからのち急に低下する傾向を示した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1961-06-30
著者
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