トビイロウンカの越冬に関する研究 : I 自然温下における卵態越冬ならびに越冬後の発育経過
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概要
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トビイロウンカの卵態越冬を明らかにするため,秋おそくイネに産下させた卵を人為的な湿室内に収容して野外飼育を行ない,自然温下における卵の越冬と越冬後における発育経過について調査した。結果を要約すれば次のとおりである。1) 秋おそくイネに産下した卵は野外の自然温状態下で比較的容易に越冬する。越冬卵は翌春自然温の上昇に伴い発育をはじめ4月下旬から5月上旬頃ふ化する。2) 越冬卵からふ化した幼虫にイネを与えて継続飼育した結果,越年世代の成虫は5月下旬に羽化し,次世代の成虫は7月に羽化出現することが明らかとなった。3) 神奈川県でトビイロウンカが一般水田に飛来する時期は普通7月であり,この成虫は越冬卵に由来する第2世代の成虫であると考えられる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1961-03-30
著者
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