りんし目こん虫の変態時の体液にみられるSH基
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概要
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-S-S-型であるアリチアミンがSH基によって還元され, チアミン(ビタミンB_1)を遊離する原理を応用し, 体液中にみられるSH基を定量した。したがって対照区にみられる遊離型チアミン量よりもアリチアミンの添加によって得られた実験区のチアミン量が多い場合, この差異をもって体液中のSH基の量とした(チアミンの定量はイオン交換樹脂を用いるチオクローム法によった)。この方法に従って, カイコの3品種とエリサンとの変態時における体液中の遊離型SH化合物ならびにタンパク中のSH基の消長を調べた。その結果, もともと体液中に存在している遊離型チアミン量はカイコに多く, エリサンに少なく, SH基はカイコに少なく, エリサンに多いことが判明した。こみ原因については不明であるが, 少なくとも変態期のSH基とチアミンに関しては, 種的特異性があるように思われる。またエリサンでは, PCMBと特異的に反応するSH基とそうでないSH基とがこの期の体液に存在することが判明したが, これはR-SHのR部分の立体的構造の相違に基づいているものと推定される。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1959-12-30
著者
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