生体リズム異常の臨床 : 特に季節性感情障害・睡眠リズム障害を中心に
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概要
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近年の時間生物学研究の進展により生物時計機構の解明が進み、この時計機構の異常が疾患を引き起こしている可能性が示唆されている。この異常による障害は生体リズム障害とよばれるが, その代表的なものは睡眠覚醒リズム障害と季節性感情障害である。これらに共通した特徴は, 高照度光照射が効果をもつことである。また, 睡眠覚醒リズム障害にはビタミンB12およびメラトニンが奏効する例がある。最近行われた季節性感情障害の長期経過研究により, この障害には(1)秋冬のみにエピソードを繰り返す季節性, (2)過眠・過食・炭水化物渇望などの非定型症状, (3)光療法奏効, という3つの特徴を兼ね備えた中核群が存在することが明らかにされた。
- 日本心身医学会の論文
- 1998-03-01
著者
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