骨格型III級患者の下顎結合部唇側面への骨移植術について
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概要
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通常臨床歯科医学における骨移植は,その病理学的形態より3壁性骨欠損を有する歯周病患者に対して広く行われている。今回,下顎前歯部(下顎結合部)唇側面歯槽骨の開窓や限局性穿孔は存在するが,歯肉退縮を生じていない骨格型III級不正咬合患者へ顎矯正手術と同時に自家骨移植を付加的に行った。初診時のセファログラム所見より高く幅の狭い下顎結合部とこの薄い骨に直立している下顎前歯が確認された。また,術前矯正歯科治療中,下顎前歯はその捻転の解消と頬舌的な移動が行われた。手術時には下顎前歯部の開窓や限局性穿孔が確認された。下顎前歯部(下顎結合部)唇側面に自己海面骨を移植することによって歯槽骨の開窓や限局性穿孔は覆われた。結果的にセファログラム上での経過所見より,その後4年10か月間移植骨の残留が認められ,さらに臨床的に咬合が安定し通常後戻りしやすいとされる下顎前歯捻転の後戻りも認められず良好な結果を得たので報告した。
- 岩手医科大学歯学会の論文
- 2003-08-11
著者
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三浦 廣行
岩手医科大学歯学部歯科矯正学講座
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水城 春美
岩手医科大学歯学部口腔外科学第一講座
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三浦 廣行
岩手医大・歯・矯正学
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水城 春美
岩手医科大学歯学部口腔外科学講座顎口腔外科学分野
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水城 春美
岩手医科大学 放射線科
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清野 幸男
岩手医科大学歯学部OSCE実施委員
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三浦 廣行
岩手医科大学 歯 歯矯正
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横田 光正
岩手医科大学附属病院歯科医療センター口腔外科第一診療室
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清野 幸男
岩手医科大学歯学部歯科矯正学講座
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三浦 廣行
岩手医科大学歯学部 口腔保健育成学講座 歯科矯正学分野
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三浦 廣行
岩医大・歯・矯正
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石亀 勝
岩手医科大学歯学部歯科矯正学講座
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三浦 廣行
岩手医大 歯 歯科矯正学
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横田 光正
岩手医科大学歯学部スポーツ歯科委員会
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横田 光正
岩手医科大学歯学部口腔外科学第一講座
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