分子生物学部門
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概要
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老人病研究所・分子生物学部門は, 日本医科大学大学院分子生物学科目であるとともに, 丸子アイソトープおよび組換えDNA実験施設を兼ねている。現在18名のスタッフ(教職員6名, 院生・研修生12名)が日夜, 外科系, 内科系の疾患の遺伝子レベルでの病因解明と診断法の開発に取り組んでいる。1)外科系疾患では, 乳癌, 膀胱癌, 甲状腺癌の検体を用いて広範なヒトゲノム領域を対象に各染色体上の欠失・増幅・再構成の有無を調べ, 高頻度な異常を見出した染色体について高精度ゲノム欠失地図を作製し, 共通して欠失する領域の限局化から, これら癌の発生進展に関わる癌抑制遺伝子の同定を目指している。また, 種々の腫瘍に見られる染色体相互転座を指標に転座点において再構成, 活性化をきたす遺伝子のクローニングも試みており, 最近, 甲状腺癌や子宮筋腫において染色体同士の相互転座に伴い, 再構成をきたした新しい癌遺伝子をクローニングした。乳癌の遺伝子診断の研究については, 多形性DNAマーカーを用いた解析から乳癌の悪性度, 転移, 再発, 生命予後に関わる遺伝的変化の特定と臨床応用を目指している。2)内科系疾患では, 骨粗鬆症の遺伝的素因の解明のため, 骨代謝に関わる様々な因子の候補遺伝子について多型性マーカーを単離し, 大規模な老年人口における解析から各遺伝子座の遺伝的多様性と骨代謝に関わる様々の表現型間の関係を検討し, また, 高脂血症発症におけるリポタンパク関連遺伝子間の遺伝子相互作用の解析を進めている。3)ゲノムサイエンス研究の一環として第11番染色体のゲノム解析を行ない, 最近, 染色体腕内逆位をともなう先天性多脾症の原因遺伝子をポジショナルクローニングした。
- 日本医科大学の論文
- 1998-03-25
著者
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