脳性麻痺の発生機序と周産期脳障害(<特集>脳性麻痺研究の到達点)
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概要
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脳性麻痺児の脳MRI所見を分析することで、これまでわかりにくかった障害の原因がわかるようになってきた。その結果、これまでのように脳性麻痺の大半が周産期脳障害に起因していることが確認された。現代の考え方によると、周産期脳障害はイコール低酸素虚血性脳症であるというわけでなく、ウイルスや細菌感染などに続発する全身炎症反応症候群のようなメカニズムも脳障害の発生に関わっていることが推定されている。周産期脳障害に関連するエピソードは、早産出生・仮死出生・子宮内発育遅延・多胎児が要因として挙げられる。これらのうち、脳性麻痺の原因としての周産期要因には早産出生が最も高頻度にみられる。医療法律的に焦点となることの多い仮死出生の問題は、分娩監視装置を装着していても防ぐことのできない2つのパターン、すなわち「突然発生する持続性徐脈」と「胎児心拍が異常でないのに発生する多嚢胞性脳軟化症」に注目すべきである。子宮内発育遅延や多胎児は、現代における子宮内膜症の増加という社会現象と関連するものであり、間接的ながら早産・仮死出生の危険を包含する周産期要因である。
- 全国障害者問題研究会の論文
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