中国語を母語とする日本語学習者の言語習得過程における若干の問題 : 「生活言語」と「学習言語」をめぐって
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概要
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この数年,日本の小・中学校においては,帰国子女,外国人子女の数が増加し,そうした児童・生徒に対する日本語教育が急務の課題となっている。母語の習得形成期にある学習者が日本語を第二言語として学ぶ際に生じる言語上の問題を解決するには,母語を獲得した学習者が日本語を学習する場合とは異なった視点からのアプローチが必要である。本稿では,中国語を母語として言語形成期にあった者が,日本語を第二言語として学習する場合に問題となる点を,「生活言語」および「学習言語」といった言語の二つの層という観点から考察したものである。本稿で得られた結論は次のようなものである。日本語母語話者であれば,「生活言語」である和語から「学習言語」である漢語へと段階を経て習得される言語の層が,中国語の母語形成期にある日本語学習者は,「生活言語」よりも先に,「学習言語」が不完全な形でインプットされており,そうした学習者への日本語教育においては,日本語の「生活言語」に対応する中国語の「生活言語」に気づかせるような方法が有効であろうということである。
- 富山大学の論文
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