資本主義の高度化と商品変遷に関する考察 : <情報化>とは何か
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概要
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商品の有用性(属性)の解明は,これまで主として『商品学』の分野のものとして,「技術的立場」からの議論が中心であった。しかし,社会の富の分子形態ともいわれる商品は,経済発展の中で,姿態転換を段階的にとげており実体経済(再生産構造)にも一定の影響を与えている。「商品の情報化」,「経済の情報化」がいわれ出してきたのも,このためである。この現象が一人歩きして,あたかも消費者の好みの変化が商品を変え,ひいては産業を変えていっているかの如き錯覚が生まれている。きわめつきは「情報」の<差異>から利潤が生まれるとする記号論的錯倒にある。しかし,産業構造の高度化は,製造業のサービス化過程を辿っているが,市場経済の主役は引続き企業(資本)である。市場での競争が商品をかえ,商品一般の高度化をもたらしている。一言でいえば「量的存在」(Quontity=Q1)から「質的存在」(Quolity=Q2)。そして,情報化時代にはいって「"飾"的存在」(Quolity=Q3)の段階ととらえる。この"飾"概念を導入することで,戦後の日本資本主義の発展的な歩みを解明する。そのことはとりもなおさず『資本論』を部分的に接穂することで,資本主義の再生産メカニズムをより明らかにする。これが本稿のめざすところである。
- 摂南大学の論文
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