マコモに寄生するニカメイチュウの発生消長と2種の卵寄生蜂の影響
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概要
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1996年にマコモに寄生するニカメイチュウの各発育ステージでの発生消長を調査した。一般に,マコモに寄生したニカメイチュウはイネに寄生したものより頭幅が大きく,成虫の体サイズの頻度分布は2つの正規分布を合成した二山型の分布となる。マコモより羽化したと考えられる頭幅の大きい雄成虫は,春にはフェロモントラップに数多く捕獲された。その子孫である第1世代の卵塊も春にはマコモの上で確認されたが,そのほとんどは卵寄生蜂であるズイムシクロタマゴバテとトリコグラマ属の一種に寄生され,生存できなかった。その結果第1世代の幼虫は7月下旬まで,マコモの中にほとんど見られなかった。一方,頭幅の大きい雄成虫は夏にフェロモントラップで多く捕獲された。マコモの中に第1世代の幼虫と蛹が少ないにも関わらず,夏に成虫が多く捕獲されたことは,2つの個体群が生態的,生理的に異なっているという以前の報告と矛盾していた。
- 岐阜大学の論文
- 2000-12-25
著者
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