スズメの上海集団における遺伝的変異性
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概要
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スズメ(Passer montanus)の集団における遺伝的変異性を評価するために,合計20座位により支配される,スズメの酵素をデンプンゲル電気泳動法で分析した。今回分析に供したスズメは,食肉業者より購入したもので,中国上海市から輸入され,仮に上海集団と呼ぶことにする。この集団では6座位(Acp, Es-D, Pgi, 6Pgd, Mpi-IおよびIcdh-I)が多型を,他の14座位は単型を示した。Mpi-Iを除いたこれらの多型座位にそれぞれ1つのこれ迄に報告されていない突然変異型の遺伝子が存在することが発見された。多型座位の割合および平均ヘテロ接合体率は,それぞれ0.300および0.041であった。また,Wright (1965)の近交係数, F_<IS>値は上海集団では0.098と,遺伝的分化の程度をあらわす固定指数,F_<ST>値は,上海集団と木村と山本(1983)の報告した日本集団間では,0.054と評価された。
- 岐阜大学の論文
- 1993-12-25
著者
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