ウズラの卵殻クチクラ層のカルシウム様物質重に対する選抜

概要

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本研究は,ウズラの卵殻クチクラ層のカルシウム様物質重(white bloom weight)の選抜反応を明らかにするために行なわれた。用いた集団は,高方向選抜のHH及びRH,高から低方向選抜のHL並びに対照区のRRの4群であった。選抜方法は一雄一雌交配の個体選抜とし,1群5家系の輪換交配により後代50羽を得るよう計画した。カルシウム様物質重は8階級に分類され,この階級値を用いて無選抜のコントロール集団中の遺伝率を推定した。この知見に基づいて,カルシウム様物質重に対して選抜を開始した。選抜3世代までの成績を要約すれば,次のとおりである。(1)選抜開始前基礎集団におけるカルシウム様物質重の遺伝率を,分散分析法・全きょうだい相関により推定したところ,0.51±0.22が得られた。(2)カルシウム様物質重の直接選抜による反応は,予期したとおり顕著であった。回帰あてはめによる一世代当りの実現獲得量は,HH群で0.75,RH群で0.76を示した。(3)累積有効選抜差に対する遺伝獲得量の回帰あてはめにより実現遺伝率を推定したところ,HH群で0.56±0.11が得られた。これらの結果は,個体選抜により,ウズラの"粉ふき卵"の育種は有効に行ないうることを示すものである。
1983-12-15