集落的土地利用調整の経済的性格に関する研究 : 農用地利用権の設定をめぐって,岐阜県吉城郡古川町下野集落の事例を中心に
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概要
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集落的土地利用調整が,今日,大きな農政課題となり,かつ,全国各地で展開されているが,これが土地利用型中核農家の育成と結びつく事例は少ない。本報告は,この数少ない事例の1つを分析し,その経済的性格を明らかにしたものである。その結論は,次のとおりである。1)集落的土地利用調整の中味は,集落ぐるみの集団転作と,これにかかわる農用地利用権の設定である。2)この集落的土地利用調整の成立要因は,第1に,集団転作へのだくみな対応(最高額の転作奨励金獲得),第2に,転作用地や農用地利用権設定の"出し手"と"受け手"の量的バランス(のよさ),第3に,この"出し手""受け手"双方の"公平"さを保証する集落独自の互助制度の確立,である。このため,"受け手"とりわけ中核農家の犠牲的奉仕を軽視できないし,この犠牲を許容しうる,その経営内容(高収量,高品質,低コスト生産)を無視できない。
- 岐阜大学の論文
- 1987-12-25
著者
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