大学と技術者、職人 : ドイツ大学史と技術史の交差点
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概要
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本稿は、19世紀初頭から20世紀前半のドイツの大学(U)(Table.1)の、とくに工科大学(TH/TU)とTHで資格を得た(日本でいう学卒)技術者の関係を扱っている。日本の大学は制度としてのドイツの大学を真似たものであった。しかし、日本の大学とドイツを比較すると、現状では大きな差を生じている。もちろん、ドイツの大学も1960年代からの「長い一連の」改革の中にある。工科大学の前身は建築アカデミーや工業学校などである。ベルリンTHの前身校の卒業生たちによって設立された「ドイツ技術者協会」は、THの発展に大きく寄与した。とくに、技術者の社会的地位の向上、中でも法科官僚中心の「総合大学」に並ぶ「博士号授与権」の獲得は画期であった。(fotol.2)だが、今日なおドイツ語にテヒニカ- (Techniker)ということばが生きている。また、言葉の並存とともに技術者(Ingenieur)と職人(Technker/Handwerker)の意味・価値への問い、例えば技術者は職業か、専門職(profession)と一般職(occupation)の違いはなにか、など残された未解決の問題は多い。
- 静岡文化芸術大学の論文
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