根室に見る北方領土問題(下) : 冷戦後のパラダイム転換を生きる街
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概要
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1992年4月、ビザ無し渡航が始まり、根室花咲港がロシア船に対し解禁になると、根室と四島の交流は急速に進んだ。相互訪問の中で、四島の現状が明らかになり、現島民であるロシア人との親交も生まれた。根室に上陸するロシア人船員の数は年間延べ2万人に達し、海産物の水揚げとともに根室経済の活性化の新しい要因となっている。1997年11月、クラスノヤルスクで行われた日露非公式首脳会談で、2000年までの日露平和条約締結を目指し、双方が全力を尽くすとの合意が達成された。根室住民は、四島との自由往来や一体化した経済圏としての繁栄など、現実的な利益をもたらす領土問題の解決を望んでいる。領土問題の解決に不可欠と考えられている、信頼醸成、経済関係の強化、さまざまな協力関係の促進などの要因は、根室と四島の間で、日露国家間に先行して進んでいる。
- 岩手県立大学の論文
- 1999-07-31
著者
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