小学校保健教科書の研究 : 自己学習能力の観点からの設問の分析

概要

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本研究の目的は, 自己学習能力の育成という観点から, 小学校保健教科書を評価することである。そのため保健教科書の本文中や頁末, 章末などに設けられている「質問・問題」などの設問を分析の対象とし, 10冊の保健教科書から517問の設問を抽出した。(1冊の平均設問数及び標準偏差は51.7±16.7であった。)これらの設問は,その種類によって確認・まとめの設問, 習得の設問, 練習の設問に分類され, それらの比率はそれぞれ24.2%, 65.0%, 10.8%であった。また, 自己学習能力の育成という観点から1. 有益な議論の可能性, 2. 価値のある情報を収集する活動,3. 学習者の自己評価,などについて調べた。研究の結果は以下の通りである。1) 92の議論のテーマが提示されていた。しかし, 論争点(contention issues)を含んだ, 有益な論題(proposition)はみられなかった。2) 73問のグループ活動のテーマの中の64問に,有益な情報収集の方法が明示されていた。3) 41問の自己評価に関する項目の中の16問に,有効な評価基準(尺度)が含まれていた。
茨城県立医療大学の論文