明恵上人とその周辺における夢の意味と宗教的背景
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概要
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本論文は,日本中世期の仏教者明恵房高弁の遺した夢の記録と,彼の周辺の人々に受け取られた明恵の夢についての記述を題材に採り上げ,文献学的方法と比較宗教学的方法によって,明恵の夢の解釈を中心に,彼らにとっての夢の意味,そしてその背後の宗教的観念を捉えようとしたものである。明恵にとっての夢はその宗教的生を支える「験」としてあり,また明恵の周辺の人々にとっては,明恵が「魂を飛翔させる」宗教者として捉えられていた。さらにこれらの考え方を支える背景には,大宇宙と魂を媒介として照応する小宇宙としての人間という基層的宗教観が認められる。明恵が生きたのは,人間と宇宙との照応論的コスモロジーの生きていた時代であったことが,彼とその周辺の夢観念において示唆されているのである。
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