<論文>会話授業におけるメディアに対する性格づけについて
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概要
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本研究では,初級学習者35名を対象として,5つのメディア活動(歌の聞き取り,ビデオに基づくロールプレイ,テキストに基づくロールプレイ,教師の説明,ビデオの視聴)に対する学習者の性格づけを「学習への期待」「難しさの知覚」「利用の好み」の3尺度から明らかにすることを試みた。また,学習者の特性と,メディアに対する性格づけがどのように関連しているかについても考察を行った。その結果,次の4点が明らかになった。1)「学習期待」と「好み」の2尺度は,メディア活動の順位に対応して正相関を示したが,「難しさ」は,他の2尺度と異なる順位であった。2)「難しさの尺度」において「歌の聞き取り」に対する性格づけは,性別,国籍によって有意傾向が見られた。女性よりも男性が,また,アジア系より欧米系学習者が,歌を難しいと知覚していた。3)学習期間は,「難しさの尺度」で「歌の聞き取り」に対する性格づけのみに有意な負の相関関係(p<.01)が認められた。よって,学習期間が長いほど,歌の聞き取りは難しくないと知覚していた。4)「難しさ」と他の2尺度間では,「ビデオに基づくロールプレイ」にのみ,有意な負の相関関係が認められ,「ビデオに基づくロールプレイ」は好まれないほど,また,学習に対する期待が低いほど,難しいと知覚されていた。
- 国際基督教大学の論文
- 1999-03-31
著者
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