<論文>パラダイムの転換期にある日本語教育 : 教育学的見地から日本語教育を考える
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概要
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日本語教育界では学習者の増加と共に多様化が顕著だ。そのような学習者の多様化にあわせた教育を提供しようと,レディネス調査やニーズ分析を実施し,様々なカリキュラムや教材が作成・出版されてもいる。一方,教育史を見ると,産業化社会を背景とした近代の教育はボビット,タイラー,ブルームらの教育改革に代表される効率主義的改革によって大きな進歩を遂げた。しかし,ポスト産業化時代の到来による社会機構の変動によって近代的な教育モデルはゆきづまってしまったが,それにも関わらず効率主義的な近代教育制度を引きずってしまったがために様々な破綻を生じさせてしまった。これは日本に限らず先進諸国が直面している問題である。そして今,新しいパラダイムとして「文化的実践への参加としての学び」という学習観が提唱されている。近代教育が終焉・破綻した背景を考察してみると,日本語教育も今や発展途上的な段階を終えて,ポスト近代化時代を迎えようとしているのだと言える。本稿では,このような経緯を踏まえて,日本語教育においても新たな学習観は必要であり,その新たなパラダイムとして「文化的実践への参加としての学び」という学習観を採用することを提言した。また,このような学習観を採用することによって,教員養成や教員研修のあり方,カリキュラムや教材,評価のあり方など,今後考え直していくべき課題についても指摘した。
- 国際基督教大学の論文
- 2001-03-31
著者
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