<原著論文>がん手術後2年から3年経過した患者とその家族員の社会復帰過程における自分らしさの回復
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概要
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本研究の目的は,がん手術後2年から3年を経過した患者とその家族員の社会復帰過程における自分らしさの回復を明らかにし,看護援助のあり方を検討することである。都市部の中核病院で病名を告知されて手術を受け,1年以上抗癌剤による継続治療を受け術後2から3年を経過し,本研究に同意の得られた終末期でない成人がん患者10名とその家族員6名を対象に,半構成的面接法によりデータ収集を行い,質的・帰納的方法で分析した。その結果,自分らしさの回復は,がん患者からは<がんを自分の人生に組み込む><再発時期に高まる緊張状態とうまくつきあっている>など主題4つが,家族員からは,《がんを家族生活に組み込む》《これまでの生き方や生活スタイルを再構築する》など主題4つが得られた。がん手術後2から3年を経過した患者および家族員の自分らしさの回復に認められる変化の本質は,自己変革への挑戦であると考えられる。看護援助は,がん患者も家族員も自分らしさを見失うことなく,自己変革への挑戦が自己成長につながるように,個別の家族状況に応じて関わることが重要である。
- 順天堂大学の論文
- 2003-03-29
著者
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