看護職におけるコミュニケーションの分析 : 事例および応答態度テストの特徴
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概要
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全人的な「援助・看護」機能の充実を目指す医療サービスの提供において, 看護職員に対しては, 共感的理解に基づくコミュニケーション技術を習得し, これを業務の中に生かすことが求められてきている.このためには, まず, 看護職員自身が患者およびその家族との関係のなかで自分自身のあり方をあるがままに認知し, それを受容できるように, 自己認知の質を高めることが重要である.これまでに筆者らは, 看護職員の患者に対する応答態度についての自己認知を深めるための資料として, 看護版応答態度診断テストの開発を行ってきた.本研究では, 看護学生および看護職員を対象として, 本テストを実施し, 両群での応答態度の比較を行った.また, 患者およびその家族との関わりについて, コミュニケーションに困難さを伴う事例を収集し, その分析を行った.その結果, まず, 応答態度については, 臨床経験やトレーニングの経験を積み重ねている看護職員では, 看護学生に比べ, 共感的理解の基となる理解的態度の出現率が高くなっており, 本テストの有効性が支持される結果が認められた.また, コミュニケーション場面の分析結果からは, 有効なコミュニケーション技術確立のためには, 共感的理解とともに, それを支える看護者自身のセルフコントロールが重要であることが示唆された.
- 2000-03-31
著者
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