掛川層群五百済凝灰岩の岩相変化とその地質学的意義
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概要
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静岡県掛川地域には, 鮮新ー初期更新統の掛川層群が分布している。五百済凝灰岩は, 掛川層群堀之内層中に挟在し, 従来から時間層序面として重要視されてきた。筆者らは, 五百済凝灰岩の分布, 岩相, 堆積構造, 粒径, 層厚などを詳細こ調査した。百済凝灰岩は, 砂岩シルト岩互層の中に層厚0.5〜4mの凝灰岩を4枚挟在する五百済凝灰下部と, 凝灰岩を主とし, 時に凝灰質砂岩・凝灰質シルト岩を挟み, 層厚23mに達する五百凝灰岩上部とに二分できる。更に五首済凝灰岩上部は, 下位より1〜16の部分に細分することができる。五百済凝灰岩上部10〜16は, 五百済凝灰岩の分布地域のうち南部地域でしか分布ていない。五百済凝灰岩上部16は, 層厚10mで, 五百済凝灰岩上部10〜15からもたらされた軽石凝灰岩ブロック, シルト礫などを豊富に含む海底地すべり堆積物である。これらのことから, 五百済凝灰岩分布地域のうち北部地域は大陸棚斜面, 南部地域はその斜面の裾野に広がる前弧海盆であったと考えられる。
- 静岡大学の論文
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