樹皮の構造に関する研究(第 2 報) : 樹皮の肥厚と顕微鏡的構造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 樹皮構造は木部のそれに比べて複雑であり, また樹種によつて樹皮要素の種類, 形状, 大きさならびに排列様式が著るしく異つている(写真および第1図参照)。2. 樹皮要素の形状および大きさは厚さ方向および地上高によつて変化する(写真9および第1,2表参照)。また, 樹木の肥大成長にもとづく切線方向における樹皮の不足は, 内樹皮において柔細胞, 篩管, 射出線および木栓皮層等の細胞が切線方向に長くなることにしてよつて補われ, 他方外樹皮においては亀裂を招来している。3,スギ, アカマツ樹皮の肥厚は内樹要素が周皮に囲まれた皿状組織の累加であり(写真1∿3および第3表参照), ヤマザクラにおいては内, 外樹皮における各組織の年数による増加である(第2図参照)また, 前報における樹皮厚さの年数による増加の関係は細胞の増加のみでなく, 細胞が形成した後の半径長さの変化および組織の剥落をも示す。
- 京都府立大学の論文
- 1958-08-01
著者
関連論文
- 古材の研究(第XXII報) : 耐朽性
- 木材の老化に関する研究 第 XVI 報 : 古材及び熱処理材における組成の変化の比較(その 1)
- 樹皮の構造に関する研究(第 5 報) : スギ樹皮要素の配列について(林学部門)
- 樹皮の構造に関する研究(第 4 報) : マツ属樹皮の顕微鏡的構造 (2)
- 樹皮の構造に関する研究(第 2 報) : 樹皮の肥厚と顕微鏡的構造
- 樹皮の構造に関する研究(第 1 報) : 樹皮の肥厚
- 材質腐朽に関する研究(第17報) : 2,3の南洋材の比較耐朽性に就いて
- 南洋材の材質試験(その 1) : 機械的性質
- 樹皮組織とその解剖学的用語