樹皮の構造に関する研究(第 5 報) : スギ樹皮要素の配列について(林学部門)
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概要
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スギ樹皮要素の配列について顕微鏡的に検討し, つぎの結果を得た。スギ内樹皮の横断面において篩管, 柔細胞および繊維のそれぞれが, 髄心を中心とした同心の円周状に並び, これらの各細胞列は半径方向に規則的に重なつている(写真1参照)。そして繊維列間には篩管, 柔細胞が計2n+3(n : 2∿10)列介在しており, これら各細胞列数の出現頻度は各地上高によつて相違がある(第6図および第1表参照)。そして内樹皮組織が周皮の形成によつて外樹皮となると, 繊維列間に介在する細胞列数は3∿11列となる(写真2および第6図参照)。内樹皮における繊維列間の巾とその間に介在する細胞列数とはほぼ比例し, また繊維列間隔と同年次につくられた木部における年輪巾とはほぼ比例する(第7,8図参照)。したがつて, 樹木の成長状態が異なることによつて繊維列間の巾およびその間に介在する篩管, および柔細胞列数は異なることとなる。
- 京都府立大学の論文
- 1960-09-01
著者
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