循環式穀物乾燥機の乾燥条件に関する研究

概要

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2槽モデルに基づいた計算機シミュレーションにより空気温度等の乾燥条件と乾燥能力との関係を調べ, 循環式乾燥機の乾燥条件について次の知見を得た。(1) 風速0.15∿0.5m/s, 空気温度30∿80℃の範囲で送風エネルギは空気加熱エネルギに比べ無視できる程度に小さく, 乾燥所要エネルギの代わりに空気加熱エネルギを用いても考察の結果に大きな差異は生じない。(2) 空気加熱エネルギは風速の小さい範囲(例えば, 0.2m/s以下)では空気温度の上昇とともに漸増傾向を示すが, 風速の大きい範囲(例えば, 0.3m/s)以上では, もみの場合40℃付近で, ビール麦の場合50℃付近で各々最大値を示す。その際, 空気温度の上昇に伴う空気加熱エネルギの増加傾向はビール麦においてより顕著である。(3) 平均乾燥速度の増加は主に空気温度の上昇によって得られ, 風速が大きい程, 空気温度の平均乾燥速度への影響は大きい。(4) 穀物流下速度の増加に伴い, 平均乾燥速度は増加し, 一方, 空気加熱エネルギは減少する傾向を示すが, ある穀粒流下速度以上では, 共に平衡化し, 一定値に近付く(図12,13)。両者が平衡に達する時の穀物流下速度は穀物の乾燥部滞留時間θ_dをθ_k(桴の乾燥がほぼ終了する乾燥期間)とした時の値に対応する。したがって, 乾燥部滞留時間をθ_k以下に制御することにより, 平均乾燥速度が大きく, 空気加熱エネルギの小さい, 効率的な乾燥を行うことができる。
神戸大学の論文
1985-01-31

循環式穀物乾燥機の乾燥条件に関する研究

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