中国における古代武術の成立に関する研究 その1
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概要
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要旨 : 中国武術は,戦争に勝つための格闘術だけが変化したものではなく,それ以外の多様な文化の影響を受け,現在の運動形態を形成したものである。このような中国武術の成立について,他領域の文化との融合に着目し,中国武術のもつ固有の文化的側面を考察した。 中国武術の構造は,表層,中間層,深層に三区分することができる。武術の中核となる表層は,武術の運動形態であり,そこには,功法運動,套路運動,格闘運動が含まれている。套路運動は,武術運動が芸術表現の中に取り入れられることにより形成され,後に実戦性が加わえられ成立したものである。また,格闘運動は,先秦時代の野蛮な闘争形態の蛮闘段階,秦漢唐宋時代の技術性を重視した功闘段階,明清時代の文化的遊戯性に満ちた太極推手を主流とした戯闘段階と経緯し,現在に至るものである。さらに,武術の運動形態は,主に身体の増強のために,伝統的運動文化である養生功法や雑技技法の訓練形態を参考にして成立したものである。 このように,中国武術には,芸術表現,養生功法,雑技技法などの多様な文化的側面が,融合されているのである。Summary : The movements of Chinese Military art consist of three forms; the koho movement, the toro movement and the kakuto movement. The toro movement was an artistic expression developed from military movement. Initially this artistic expression was a simple movement of hit and stab. But later this movement became more complex. We call it shoho. After finalizing thisform toshi bujutsu was composed. In the middle of Min Era, Seki Keiko, a military artist and some other artists added the elements of military art to toshi bujutsu. We can say the basic of the toro movement was completed. And also the kakuto movement of the military art roughly divided into three levels; banto level, barbarous fighting style in the Senshin Era, koto level, skill is important at the Shin Kan Toh Soh Era, gito level taikyoku-suisyu, the mainstream faction; which compiled kakuto system that is full of cultural game at the Min Shin Era. The movement style of the military artis designed to strengthen the body with reference of training style of yojo movement style and to strengthen the ability to resist impact influenced from the anmahakugeki movement style of the yojo movement style or the zatsugi technic.
- 2001-02-15
著者
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斎藤 浩二
仙台大学
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齋藤 浩二
仙台大学
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竹田 隆一
山形大学教育学部生涯スポーツ講座
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陳 民盛
中華人民共和国 東北師範学校
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黒須 憲
東北学院大学
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黒須 憲
仙台大学
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竹田 隆一
山形大学教育学部
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