毛顎動物ヤムシ神経系観察のための鍍銀染色法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
毛顎動物であるヤムシの全神経を全載標本で観察するための、鍍銀染色法について検討した。鍍銀染色法の一つであるBodian染色法をもとに、固定液、前処理、鍍銀液を変えた。その結果、Bodian No.2固定液、Triton処理、プロテイン銀(Roques社)により、極めて良好に多くの神経繊維が染色された。中枢神経系では、脳神経節内の神経繊維、腹神経節と脳神経節を繋ぐ主従連合神経、そして腹神経節のニューロパイル内を縦走する繊維束と一部の細胞体が染色された。末梢神経系では、腹神経節から派生する放射神経や尾部神経、およびこれらから分岐する繊維が染色された。この全載標本を包埋して作成した10μm切片でも、神経繊維を詳細に観察することができた。この鍍銀染色法は、ヤムシ神経系における神経構築を調べるうえで有用であるといえる。Silver staining method for the chaetognath nervous system were devised for impregnating block preparations. Based on the Bodian method, fixatives, preliminary treatment, and silver impregnators were determined. A procedure using Bodian No.2 fixative, treatment of Triton, and silver protein (Roques) yielded consistent and reliable results. Not only the central nervous system but also the peripheral nerves were stained strongly and fine arborizations of the peripheral nerves were clearly observed. 10μm sections of the block-impregnated preparations revealed the positions and pathways of some fibers and fiber tracts. The present method of block impregnation is useful for understanding the architecture of the nervous system in chaetognaths.
- 三重大学の論文
著者
関連論文
- 1I-03 食材となる身近な魚介類を用いた解剖実習の試行(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表),日本理科教育学会第57回全国大会)
- B-07 食材となる動物を用いた解剖実習と調理実習の連携(日本理科教育学会 第53回東海支部大会)
- 1E-08 アルビノザリガニを使った実践とその効果 : 子どもたちが興味を持って観察できる教材を通して(生物教材・教育法, 日本理科教育学会 第56回全国大会)
- ザリガニの生殖に関する教材ビデオの制作
- フレンドシップ事業「夏休み・子ども科学教室」の実施と課題
- 毛顎動物ヤムシ神経系観察のための鍍銀染色法
- ヤムシの系統に関する最近の研究
- ヤムシの精子形成
- 毛顎動物ヤムシにおける精子形成過程観察のための標本作成法
- 1N-01 動物の体内構造の学習における透明鱗魚種の活用(一般研究発表(口頭発表))
- アメリカザリガニの心拍数測定
- 1O-14 ヒドジョウの教材生物としての活用(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表))
- はじめまして, ヤムシです
- B06 小学校でのアルビノザリガニの長期飼育における児童の意識変化について
- B02 透明鱗メダカの選別飼育
- B01 新型アリ飼育容器「不思議の国のアリ巣」の開発
- C12 動物の体色変化に関するアメリカザリガニの教材化
- 10H-104 新型アリ飼育容器「不思議の国のアリ巣」の開発(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表))
- 11H-101 シースルー魚種の繁殖と教材化について(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表))
- 10H-201 データロガーの活用 : 「葉のつくりとはたらき」を中心に(生物教材・教育法,一般研究発表(口頭発表))