S-310-20 号ロケットによる D 層の負イオン測定結果

概要

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本報告は1990年1月28日午前4時30分内の浦鹿児島宇宙空間観測所より打ち上げられたS-310-20号ロケットによるD層及びE, F層観測結果に関する。ロケットは78度の仰角で打ち上げられ3分35秒後最高高度185kmに達し, 約7分間電離層観測を行った。測定にはコレクタとグリッドからなるファラデーカップとガラス封じ円筒型ラングミュアプローブを用いた。ファラデーカップでは±6Vの固定バスアスを0.25秒毎に印加し各バイアスでの電流を測定した。ラングミュアプローブでは0.5秒周期の三角波掃引電圧を印加, 電圧上昇時にはプローブ特性二次微分, 下降時にはプローブ特性を測定した。さらに, 負イオン密度に関連する量としてカップの浮動電位の測定も行った。その結果, 85kmまでは正負バイアス電流がほぼ同程度, 高度が上昇するにつれて正バイアス電流の増加が見られた。これからD層では正負イオン密度があまり違わず電子密度の少ないプラズマである事, E, F層では電子密度が負イオン密度を凌駕する状態である事が明かになった。