可視光用 CCD の軟 X 線に対する特性
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概要
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現在, 広く可視光用に使用されている市販のCCD素子(シャープ株式会社製, LZ22187)に, 軟X線を照射して, 熱雑音, 読み出し雑音, 転送効率等が, 軟X線領域でエネルギー分解能, 位置分解能にどの様に影響を及ぼすかを調べた。その結果, 動作温度-60℃程度で, 光子計数をした場合, エネルギー分解能は読み出し雑音で決まり, 半値幅900eVで半導体検出器には及ばない。しかし, 二次元撮像をさせる積分型の素子としては各画素単位 (23×27μm) までの位置分解能があり, 十分な性能を持っていることが判った。可視光用のCCDでも, X線領域で連続して二次元像を撮るには, 大変有利な素子であると言える。X線の検出効率から, この素子の空乏層の厚さは3μm程度であり, 高エネルギー側では検出効率が下がる。この実験を基に, CCDにX線領域で更に優れた性能を持たせる可能性を探った。その結果, エネルギー分解能を良くするためには, 素子に搭載するアンプを低雑音化し, 検出効率を上げるためには空乏層を厚くすれば, これまでにない優れた検出器となることが判った。
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