ヤギの子宮壁動脈について(畜産学科)
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概要
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沖縄産ザーネン雑種の産歴, 性周期等明瞭な32体の子宮壁内動脈について組織学的観察をおこなった。1.子宮壁に現われる動脈は上皮層に近づくにしたがい変性高度となる傾向がある。2.未経産の小動脈では外径の約1/2が内径であり, 経産例では外径の約1/3が内径で経産例の動脈壁は未経産例のそれにくらべ著しく厚い。また経産例の動脈では径の大なるものが多数出現する。3.子宮筋層の動脈の迂曲は未経産例にくらべ経産例ではより高度である。4.ヤギ子宮壁にみられる動脈をその組織学的構造から10型に区別した。5.子宮内膜の動脈では未経産例でA, B, C3型のみがみられるが, 経産例ではその他の型も多数出現し, 1産1年例ですでに高度の変性を示すH, I, J型が検出される。6.子宮筋層の動脈では未経産例でB, C2型のみがみられ, 1産例でD, E型, 2産例以上でF型以上のものが出現, 高度の変性を示すH, I, J型は2産, 4年以上の例のみに検出される。7.肥厚内膜の層状構造を示すG型は子宮内膜では2産, 3年以上, 子宮筋層では3産, 4年以上の例にみられる。8.ヤギ子宮内膜では急速な動脈の変性と新生がおこなわれ, 子宮筋層ではより緩徐な変化が妊娠, 出産によって惹起されるものと解される。本研究の要旨は第71回日本獣医学会(1971年4月)において発表した。
- 琉球大学の論文
- 1971-12-01
著者
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