沖縄におけるパインアップルの蒸散量について(農業工学科)
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概要
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この報告は, 沖縄におけるパインアップルの蒸散量を求めるために, 筆者が琉球大学構内において測定した結果をまとめたものである。測定は, 水収支法および秤量法によって行ない, 供試試料としては, スムースカイエン種の苗をポットに砂栽培したものを使った。この測定実験によって次のことが明らかになった。(1)ポット栽培によると, 沖縄では, パインアップルの蒸散量は, 月平均で, 最大1日当り1.0mmである。これは1株当り1日に250ccになる。(2)パインアップルの蒸散量は, 沖縄では, 8月から10月にかけて最も多い。この頃は, この作物の生育の最盛期に当っており, また, 気候的にも生育に好適な時期に当っている。次に, 蒸散量は2月から3月にかけて最も少なく, 月平均で, 1日当り0.4mmになる。これは1株当り1日に90ccになる。この頃は, この作物の出蕾期に当り, 気候的には沖縄における冬期の後半に当る。(3)10月から翌年の1月にかけて, パインアップルの蒸散量は, 夜間において, 時には, 昼間の量に匹敵する位になることが明らかになった。これは, パインアップルの蒸散作用が夜間にも盛んになるときがある, と言うことを示すものである。(4)パインアップルの蒸散量が, 夜間にもかなり多くなる一つの原因として, 夜間の湿度が低くなることが考えられる。
- 琉球大学の論文
- 1971-12-01
著者
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