サトウキビのブリックスに及ぼす気象要素の影響の解析例(農業工学科)
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概要
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沖縄県宮古島では収穫時のサトウキビブリックスが, 1984/85と1985/86の両収穫年期に異常に低かった。この低ブリックスの一つの原因として気象現象の影響があったか否かをみるために, サトウキビのほ場ブリックスと第1汁ブリックス総刮値の資料および気象資料を使って単純相関解析, 相関図解析, および重回帰解析を行った。解析に使用できた資料は十分ではなかったが, 入手できた範囲の解析から次の傾向が見出された。1. 1985/86年期の10月上旬のほ場ブリックスが低かったのはその直前の7月-8月の多雨と風向変化の激しかった台風との二つの影響も大きかったためであると考えられる。しかし, この多雨と風向変化とのそれぞれの影響を別々に量的に推定することはできなかった。2. 1984/85年期の10月上旬のほ場ブリックスは低いほうであったが, その原因をその直前の9月以前の気象の推移(台風, 降雨量など)によって説明することはできなかった。3.上記二つの収穫年期連続の低ブリックスに関連して, 両年期とも収穫期直前の10月以後のブリックスがあまり上昇しなかったが, これはこの10月以後の気象の影響もかなりあったことがある程度説明できる。4.この解析は従来の栽培方法によって生育したサトウキビについて行ったものである。さらに良い栽培方法の下で生育したサトウキビは, ある程度の気象のマイナス面に対しても本報告におけるほどのブリックス低下に至らなくなる可能性がある。これについては今後資料の蓄積を待って調査したい。5.さらに精度の高い調査研究結果を得るためには, 降雨量, 台風, およびこれらと関連したサトウキビの生理生態のおのおのについて一層の研究と資料の蓄積が必要と思われる。
- 琉球大学の論文
- 1988-12-05
著者
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