<論文>木材の繊維方向における比動的ヤング率と内部摩擦

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概要

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木材の繊維方向では,比動的ヤソグ率E'γの対数と内部厚擦tanδの対数との間に勾配が負の直線関係がある。本研究の目的は,E'/γに及ぼす細胞壁構造の影響を明らかにし,内部摩擦の生じる機構を推定すると同時に,E'/γとtanδの間に刊列関係が存在する理由を明らかにすることである。モデル解析の結果, E'/γの値にはS_2層のミクロフィブリル傾角が最も大きく影響していることが明らかになった。このことを実験的に節かめるために,ヒノキ間伐材について,X線回折によりS_2層の平均ミクロフィブリル傾角φと,両端自由たわみ振動法により,E'/γを求めた結果,E'/γとφとの間の関係は,計算により推定したものと定量的によく一致した。また,tanδとφの間にも,実験的に高い相関関係が存在した。得られた結果から,木材において内部摩擦の生じる主な機構は,S_2層におけるミクロフィブリルの変形とマトリックスのそれとの間の位相差に基づくものと推定した。
京都大学の論文
1986-11-30

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