<ノート>スポーツにおける「至高体験」と「どん底体験」の研究

概要

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本研究では, スポーツにおける「至高体験」と「どん底体験」の特徴とその影響について調査した.ここでは, 至高体験を人々がスポーツにおいて体験し得る最高の精神的高揚, つまり最高の幸福や充足, 感動の瞬間と定義した.また, どん底体験は, その正反対の体験であり, 最も不幸な出来ごとや挫折, 心傷を伴うような瞬間と定義した.データは, 大学生367名を対象に「至高体験」「どん底体験」に関して「体験の時期」「体験の場面」「その瞬間に感じたこと」「現在への影響」「体験の頻度」についてアンケートにより収集した.結果は, 様々な至高体験が集められただけでなく, どん底体験についても多くの報告を得た.至高体験の瞬間に彼らは, 効力感, 所属感, 達成感等を感じ, 現在への影響としてポジティブな心理的効果が認められた.一方, どん底体験の瞬間には, 悲嘆, 不幸, 自己への軽蔑を感じている.しかし, その影響がすべてネガティブに働くとは, 言えず, 彼らの43.05%は, ポジティブにとらえていた.このことは, 人々が挫折や悔しさなど一見ネガティブな状況に耐え, 努力によって成し得たことに心を打たれ, その感動が自己意識や心の成長を促すという可能性を示唆している.
北海道東海大学の論文
1999-03-25

<ノート>スポーツにおける「至高体験」と「どん底体験」の研究

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