<原著>ネブライザーにおける使用液とその保存条件およびネブライザー本体の管理方法に関する実験的研究
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概要
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ネブライザーの使用液として,人工的にAcinetobacterで汚染した滅菌蒸留水,滅菌生理食塩水,滅菌常用水およびStaphylococcus epidermidisで汚染した滅菌生理食塩水を,37℃,室温,4℃(Acinetobacterのみ)で3日間保存し,菌の生育状況を保存前と比較したところ,蒸留水,生理食塩水では,いずれの保存条件でもほとんど菌の増殖は認められなかったが,常用水では室温,37℃の2条件で菌の増殖がみられた.薬液槽の汚染菌量とエアロゾル中の検出菌数の関係については,薬液槽の汚染菌液の濃度が2×10^2CFU/mlの場合には,エアロゾル中にほとんど菌は検出されなかったが,2×10^3CFU/ml以上では,エアロゾル中の1分あたりの検出コロニー数は,薬液槽の菌量と相関して増加した.乾燥による菌の不活化についてはAcinetobacter,Staphylococcus epidermids, Pseudomonas aeruginosaとも5時間の乾燥で99〜100%の菌が不活化された.以上より,ネブライザーの使用液には滅菌蒸留水または滅菌生理食塩水を用い,その保存は冷蔵庫で行い,汚染は2×10^2CFU/ml以下に抑えるべきであると考えられた.また,ネブライザー本体の管理における乾燥の重要性が示された.
著者
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西尾 淳子
千葉大学看護学部病態学
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鈴木 明子
千葉大学看護学部基礎看護学講座病態学教育研究分野
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岡田 忍
千葉大学看護学部
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木幡 暁子
愛和病院
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福元 恵
国立がんセンター中央病院
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丹下 真希
トヨタ記念病院
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吉沢 花子
元千葉大学看護学部病態学教育研究分野
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岡田 忍
北里大学 大学院 医療系研究科
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岡田 忍
千葉大学看護学部病態学教育研究分野
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鈴木 明子
千葉大学 看護学部
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西尾 淳子
千葉大学看護学部
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鈴木 明子
千葉大学看護学部
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