わが国での稲・米の総合的利用
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概要
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わが国の主要食糧である稲・米が,長い歴史の間にいかに人びとに影響を与え,いかに生活に寄与してきたかを,精神面と物質面とから考察した。ごんご稲・米の利用は,国際的関係を視野に入れつつ,多少の消極面を克服しながら,物心両面を通じてますます発展させなければならぬであろう。1)稲の耕作と米の生産は,日本人の精神的な面で,社会システムの構築(天皇制・封建制など),民衆文化の発展(祭り・芸能など),国民気質の形成(勤勉性・連帯性など)等に多大の影響を及ぼした。2)稲・米の消費と利用は,日本人の物質的生活に,食用(米粒をごはん・料理などに使う),半食用(ぬかを添加物・米油などに使う)ならびに非食用(わら・もみがらを飼料・肥料・バイオマスなどに使う)にわたって,多大に寄与してきた。3)一方,近年は,稲・米の物質的利用にいくらかのマイナス的側面もあらわれて来ている。たとえは,農薬の過用による米の汚染や米粒中のアレルゲンによるアレルギー症の発生などである。
- 園田学園女子大学の論文
- 1994-12-30