稲と米に関する歴史・文化・科学 : わが国の主食についての展望
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概要
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l)米・稲が昔から日本および日本人の生活と文化に大きく影響を及ぼしてきたことを,歴史的な観点から解説した。2)稲の耕作は,日本人の国民的性格の形成・社会的システムの構築および公衆的活動の発展に,精神的かつ文化的に寄与した。3)稲は,日本人の衣食住の生活全般ことに食生活の面で,物質的かつ文化的に貢献した。4)稲の繊維性部分(茎葉・籾殻)は,伝統的に飼料・肥料・建材・生活用品などに使われてきた。それらは今,製紙・甘味剤・燃料・セラミックスなどへの工業原料として,近代的な用途を広げつつある。5)稲の非繊維性部分(米粒・ぬか・糠油)は,伝統的に主食・飼料・堆肥などに用いられてきた。それらは現在,食用油・食品添加物・飼料添加物・ビタミン製剤・栄養医薬品・酸化防止剤などへの工業原料として,近代的な用途を拡大しつつある。
- 1993-10-31