パーソナリティの実験的研究(III) : 運動学習と図形残効 におけるパーソナリティ要因
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概要
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本研究は, Hull以来の行動理論とEysenckのパーソナリティ理論から予測される集中試 行条件下でのアルファベット逆文字書きと螺旋図形残効における次の仮説を実験検討するこ とを目的としてなされたものである。 仮説1)集中試行条件下でのアルファベット逆文字書きにおいては, 試行の経過と共に反応制止が蓄積してゆくため, 作業時間減少とレミニッセンスとの間には負の相関がみられるであろう。同様に螺旋図形残効においても残効時間の減少と残効時間の回復との間には正の相関がみられるであろう。 また, 作業時間減少と残効時間減少との間には負の相関, レミニッセンスと残効時間の回復との間には正の相関がみられるであろう。 仮説2)外向性(E)の者は強い反応制止を発生するのであれは, E得点と平均作業時間及び作業時間の減少との間には負の相関, Eの得点とレミニッセンスとの間には正の相関が みられるであろう。また, E得点と残効時間との間には負の相関, E得点と残効時間減少及 び残効時間の回復との間には正の相関がみられるであろう。 結果は, 螺旋図形残効に関しては仮説通りの有意な相関が得られ, 外向性の者は試行の経過と共に反応制止が蓄積してゆくため残効時間は減少し, 休息により反応制止が消散することによって残効時間の回復がみられることが検証された。 しかし, アルファベット逆文字書きの運動学習課題においては, 仮説に反しかなり, 混乱し た結果であった。このことは, アルファベット逆文字書き課題が学習により新しい習慣が形 成される複雑な桔抗学習課題であるため, 従来の行動理論, パーソナリティ理論から単純に 仮説を設定したことに難点があったと思われる。
- 園田学園女子大学の論文
- 1975-12-20
著者
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