パーソナリティの実験的研究(I) : タッピング作業におけるパーソナリティ要因
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概要
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本研究はタッピングの集中作業において, 外向性は反応制止と関係し, 神経症的傾向は動因とみなされるとするEysenckの仮説を実験検討することを目的として行なわれたものである。実験に先だち, 被験者選択のために性格テストMPIが大学生に施行された。***248名の中から. MPIの結来により, N I, S I, NE, SEの4群の被験者42名が選択された。実験は被験者をモールス電鍵の前に着席させ, この電鍵を中指のみによって打叩すべく手指を固定することで開始された。手指固定の後, 被験者が来来もっている打叩力の最高強度が3回測定され, 『用意, 始め』の合図と共に『止め』と言うまでできるだけ早くたくさん打叩するようにという教示のもとで, タッピングの集中作業にはいった。作業は休息前において1試行10秒間で12試行と練習試行の3秒間, 計123秒間の集中打叩作業と, その後, 5分間の休息をとり, レミニッセンス測定のための再度の集中打叩作業33秒間からなる。タッピングの集中作業において, パフォーマンス, レミニッセンス, 打叩力を指標とした時, 次のような結果がえられた。1)休息前パフォーマンスについて 第1試行においては, 4群間に差はないが試行の経過と共に, 外向性群はパフォーマンスが減少し, 全パフォーマンス量において内向性群より有意に小さいという結果が得られた。一方, 神経症的傾向に関しては群間に有意な差は得られなかった。2)レミニッセンスについて レミニッセンス量においては内向性ー外向性の群間に有意な差が得られず, 神経症的傾向については高い群が多くのレミニッセンス量を示すという有意に近い結果が得られた。3)打叩力について 全科とも, 試行の経過と共に打叩力の強度は減少してゆき, 神経症的傾向の高い群が全作架期間一貫して弱い力で打叩していることが見山された。しかし, 内向性一外向性に関しては群間に打叩力の差はみられなかった。
- 1972-12-20
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