塗装木材の内部応力に関する研究 I : 木材用塗料塗膜の収縮応力について(林学部門)
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概要
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塗装木材において, 塗膜内部に発生する内部応力は塗膜の密着性を不安定にして剥離やクラックの危険を増大させるばかりでなく, 塗装木材のそりの原因にもなる。本研究はこれら内部応力を明らかにすることを目的として, 4種の一般木材用塗料を用い, まず硬化中に発生する塗膜の収縮応力を乾燥条件, 塗装回数, 塗膜厚さとの関連において検討した。ポリエステルならびにポリウレタン樹脂塗料の収縮応力は乾燥条件(温度 : 60℃, 関係湿度 : 5∿50%)によって差異がなく(Table 3), 塗装回数や塗膜厚さの増加にともなって減少する傾向が認められる(Table 4,Fig.9)。アミノアルキッド樹脂塗料の収縮応力は, 60℃, 30%の乾燥条件において著しく大きく(Table 3), 塗装回数や塗膜厚さによる差異が認められない(Table 4,Fig.10)。他方, ラッカー塗料では関係湿度が低くなるほど, しかも塗装回数が少なく, 塗膜厚さが薄いほど収縮応力は明らかに増大する(Table 3,4,Fig. 10)。
- 1966-09-01
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