塗装木材の内部応力に関する研究 II : 木材用塗料塗膜の熱膨張について(林学部門)
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概要
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塗装木材の塗膜内部に発生する内部応力を明らかにすることを目的として, 前報と同じ組成および配合比の4種の木材用塗料を用い, 熱応力の起因となる塗膜の熱膨張について測定した。得られた主な結果は次の通りである。1)塗膜の熱膨張と温度との間には直線関係が成立し, 温度上昇時と下降時の直線は実験誤差の範囲内でほぼ一致する(Fig. 1). 2)本供試塗料塗膜の線熱膨張係数はいずれも0.23∿0.34×(10)^<-4>/℃の範囲内にあり, 塗料の種類による差異は認められない(Table 1)。しかも, この値は木材の半径方向の線熱膨張係数にほぼ等しい(Table 1,2)。3)木材塗装の際, 塗膜内部に発生する熱応力は木材繊維に平行方向の塗装塗膜において最も著しいが(Table 3), 単離塗膜の引張試験結果から考えると塗膜にクラックが発生する危険に対してはかなり安全であり, 塗膜の収縮応力を考えあわせてもアミノアルキッド樹脂塗料以外はこの危険が少ないように思われる(Table 4)。
- 1966-09-01
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