ナモグリバエのマメ科植物に対する産卵選好性(農学部門)
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概要
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ナモグリバエはわが国において栽培作物を含む65種類の植物の葉内を潜孔加害するが, マメ科寄主植物のうち, エンドウ, ソラマメおよびカラスノエンドウならびにエンドウとキヌサヤの4品種に対する成虫の産卵選好性を調査した。1)エンドウに対する産卵選好性が最も大きい。すなわち, 雌成虫による傷痕数については, 寄主植物1種単植および3種混植の場合95%信頼度においてエンドウ>カラスノエンドウ>ソラマメとなり, 2種混植の場合はエンドウ>カラスノエンドウ=ソラマメとなる。また, ふ化幼虫数については, 単植の場合のみ95%信頼度においてエンドウ>カラスノエンドウ>ソラマメとなり, 混植の場合にはエンドウ>カラスノエンドウ=ソラマメとなる。2)ウスイおよび白竜エンドウ, オランダおよびフランスキヌサヤの4品種間に寄生幼虫数の有意差は認められない。ナモグリバエ幼虫個体数はいずれの品種でも第2世代に激増した後は減少傾向をたどるが, 幼虫死亡率は同世代以降ややよこばい状態がつづき, 第5世代で著しく高率となる。
- 1966-09-01
著者
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笹川 滿廣
Kyoto Prefectural University
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笹川 滿廣
Laboratory of Entomology, Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University
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